糸を慈しみながら

糸を慈しみながら

 

糸を慈しみながら

人々は衣を織る


隙間のないように

締まり過ぎないように

丁寧に時間をかけて

私たちは時間を織る


目には見えない布が広がり

一着の衣を作り

ある人は我が子に羽織らせる

ある人は自分で羽織り空を見る


糸を慈しみながら

人々は衣を織る


隙間のないように

締まり過ぎないように

丁寧に時間をかけて

私たちは時間を織る


汚れてしまったような衣を見て

泥だらけの靴を見て

嘆いてしまわないように


自分から続いてゆく何かを見守りながら

空を見上げながら

白き衣を思い 風に吹かれ

「なるようにしかならないさ」と

太陽の光に包まれる


糸を慈しみながら

人々は衣を織る


隙間のないように

締まり過ぎないように

丁寧に時間をかけて

私たちは時間を織る


どれほどの時間を今まで

どれほどの思いで

織り続けてきたのだろう


気付きながらの日々もあった

気づかない日々もあった


私のいびつな衣は

それでも私を雨埃から守り

きっと誰かのことも少しは守れるだろう


糸を慈しみながら

人々は衣を織る


隙間のないように

締まり過ぎないように

丁寧に時間をかけて

私たちは時間を織る

今も これからも

ずっと ずっと


織り続けながら

気付きながら

 

 

illustration & Message by あとじまこと 

 

 

 

 

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